エフェクターボードを使用するメリットや種類、選び方、すのこ式や底板式のものの違いについて解説。すのこ式、底板式、ソフトケース、ハードケース、一口にエフェクターボードといっても現在ではいくつかの種類があり、それぞれのおすすめ商品を紹介します。
エフェクターボードでエフェクターを持ち歩こう
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
エフェクターの数が増えてくると、セッティングには時間がかかり、持ち運びにも苦労すると思います。エフェクターの数が3~5個以上になってきたら、エフェクターボードを組んでしまうことをおすすめします。エフェクターボードを使うことでエフェクターの配置をある程度固定して、つまみもセッティングがずれることなく持ち運ぶことが可能になります。
以前は限られたミュージシャンのみがエフェクターボードを組んでいた印象がありますが、現代ではエフェクターを使うほぼ全てのミュージシャンがエフェクターボードを組んでいると言っても過言ではないでしょう。
エフェクターボードの組み方・作り方で考える4つのポイント
エフェクターボードを組む際に大切なポイントは、「エフェクターの配置やつなぐ順番を考える」「エフェクターを配線してサイズを測ってからケースを選ぶ」「なるべく配線はきれいにする」「エフェクターがボードからはがれないように固定する」と、主に4つあります。それぞれのポイントを押さえて、エフェクターボードを組む際に役立ててください。
エフェクターの配置やつなぐ順番を考える
エフェクターはつなぐ順番によってサウンドが変わります。例えば、音に広がりを持たせるリバーブと音を歪ませるオーバードライブ。これらは前後関係によってサウンドが大きく変化します。歪んだサウンドに広がりを持たせるのか、広がりを持たせたサウンドを歪ませるのか、このように考えると想像に易いのではないでしょうか。
そのような点を踏まえ、配線の前の方からダイナミクス系、補正系、歪み系、モジュレーション系、空間系、と繋いでいくのがセオリーです。ただし、これはただのセオリーでしかないのであくまでサウンドのみでワイヤリングをチョイスするのが正しい考え方です。
エフェクターを配線してサイズを測ってからケースを選ぶ
エフェクターボードにはサイズやケースの種類、底部分の形状などによって様々な種類があります。小さいサイズであれば30×20cm程度のものから、大きいサイズになると横幅で1m以上にもなるものがあります。
選ぶ際には実際のエフェクターを床で配線してみて、適切なサイズを測ってみましょう。配慮しなければならないのはズバリ配線。信号を通す配線ももちろんですが、電源を引き回す配線にも気を使いましょう。
なるべく配線はきれいにする
きれいな配線にするには、まずはエフェクターボードにこれでもかとエフェクターを詰め込み過ぎないこと。詰め込み過ぎると、端子やスイッチ同士が干渉してしまい、結果的にプレイヤビリティが低下してしまいます。どうしても数が多くなってしまう場合にはすのこ式の底板が使われたエフェクターボードと小さいプラグ、柔らかいケーブルで作られたパッチケーブルを使って組み込むことをおすすめします。
また、同一メーカーであればジャックのインとアウトの位置は同様であることがほとんどですが、違うメーカーのものを組み合わせるとジャックが横にあるもの、上にあるもの、右と左が逆のもの、様々あります。このような場合にも細くて柔らかいケーブルは役に立ちます。入らないと諦める前にパッチケーブルについて考えてみるのもひとつの手ですね。
エフェクターがボードからはがれないように固定する
エフェクターボードは当然移動時の振動にさらされるため、中のエフェクターは動いてしまいます。この時、エフェクターをボードに固定していないとエフェクターは自由に動き回り、せっかくセッティングしたつまみもバラバラ、配線したケーブルにもダメージを与えてしまう可能性があります。
以上から、可能な限りエフェクターは固定したほうがいいと言えます。エフェクターの固定にもっともポピュラーなのはマジックテープです。ボード側にあらかじめマジックテープの片側が貼り付けてあるモデルも多く、もう片方をエフェクターボードの裏側に貼るだけで簡単にエフェクターを固定することが可能です。
エフェクターボード・ケースの選び方
エフェクターボードのケースは選び方軽量なソフトケースと耐久性のあるハードケースの2つに分けられます。それぞれの特徴をまとめているので、自分に合っているのはどちらかを確認してみてください。
軽さで選ぶソフトケース
ソフトケースが使われたエフェクターボードは、すのこのように底上げするタイプの底板を使ってエフェクターを固定するタイプのものが多くあります。このタイプのエフェクターボードの場合、底上げした下の部分を使って配線やパワーサプライを設置することが可能です。
また、やはりソフトケースの魅力は持ち運びやすさ、取り回しのしやすさでしょう。近年このタイプのエフェクターボードは発展が著しく、次々と最新のモデルがリリースされています。
堅牢さで選ぶハードケース
ハードケースが使われたエフェクターボードは、そのケース自体がボードの底板として機能するタイプがほとんど。このタイプは昔から定番のデザインとして愛されており、価格も安いものが多いので手を出しやすいのが魅力ですね。
ただし、すのこタイプのものと比較すると、エフェクター下部に床下式に配線を取り回すことができないため、使い方、配線の仕方はまるで異なってくるでしょう。すのこタイプの底板をハードケースに収納することができるモデルももちろんあります。
おすすめのエフェクターボード:ハードケース編
底板式:ARMOR アルモア FRP製エフェクターボード PS-3C (マジックテープ付属)
プロ御用達のケースメーカーアルモア製、最高の強度を誇るエフェクターボードです。エフェクターは高価なものでは10万円以上するアイテムもあり、基本的にどれもが高価です。高価な音響機材を保管、運搬する以上ある程度の強度を持った安心できるケースを使うのは当然と言えば当然ですね。
アルモアはツアーミュージシャンからの支持が厚いメーカーで、アルモアが壊れた、アルモアの中のエフェクターが傷ついた、という話は一度も聞いたことがありません。それだけ高い強度と信頼を持ったモデルだということですね。
ARMOR アルモア FRP製エフェクターボード PS-3C (マジックテープ付属)
参考価格:
19,500
円
価格情報は以下に表示された日付/時刻の時点のものであり変更される場合があります
amazon.co.jp:2024年11月21日 14:17時点
rakuten.co.jp: 2024年11月10日 09:45時点
shopping.yahoo.co.jp: 2024年11月15日 07:51時点
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おすすめのエフェクターボード:ソフトケース編
すのこ式:Palmer PEDALBAY 40 ペダルボード エフェクターボード
すのこの上面にはデフォルトでマジックテープが貼られているため、他のエフェクターボードで使っていたエフェクターを、ワンタッチでこちらのケースに移行することが可能。十分な強度を持ってエフェクターを固定できます。
こちらのモデルはボードを自分の方に傾けることが可能で、またその傾き具合もうまくコントロールできます。ボードの裏側にはパワーサプライを設置するスペースもあります。パワーサプライに限らず、基本的にかけっぱなしにするようなエフェクターは裏側に置いてしまってもいいでしょう。安価ながらも必要十分な機能を備えた良質なプロダクトです。
Palmer PEDALBAY 40 ペダルボード エフェクターボード
参考価格:
13,000
円
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amazon.co.jp:2024年11月21日 14:17時点
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エフェクターを強力固定できるおすすめマジックテープ
KC マジックテープ 面ファスナー 1m HOOK(オス) MT-HOOK/1m
エフェクターをエフェクターボードに固定する際、ほとんどのミュージシャンはマジックテープを活用しています。車や電車での移動に伴う激しい振動を与えてもエフェクターボードの中で十分な強度を持って固定することが可能です。
本商品は通常であればエフェクター側に貼られることの多いマジックテープのオス側。マジックテープに付着したゴミはしっかりと取り除き、貼り付けには十分な力を持って加圧するのが高い取り付け強度を得るコツです。
KC マジックテープ 面ファスナー 1m HOOK(オス) MT-HOOK/1m
参考価格:
600
円
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amazon.co.jp:2024年11月21日 17:45時点
rakuten.co.jp: 2024年11月10日 08:45時点
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エフェクターボードの電源供給におすすめのパワーサプライ
FIREGLOW PPS-01 パワーサプライ
パワーサプライとはエフェクターに電源を供給するためのアイテムです。パワーサプライを使わない場合、全てに電池を搭載するか、もしくは1つ1つに専用のアダプターで電源を引くことになります。パワーサプライを使えばアダプターでパワーサプライまで電源を引き、そこから出てくるエフェクター専用の電源を使ってボード内のエフェクターの電源をまかなうことができます。
本商品は格安ながらも高級機種譲りの高い性能とデザインが施されており、私イチオシのプロダクトです。この価格でパワーサプライ、DCケーブルつき、12Vと18Vへも対応と素晴らしいコストパフォーマンスを発揮しているのですが、最も推したいのは完全アイソレーテッドタイプだということです。
これにより各エフェクターは同時に電源供給されている他のエフェクターの影響を受けることがなく、最大限のパフォーマンスを発揮します。本来であればこれだけの性能を持ったパワーサプライを手に入れようとしたら5万円近くの金額になりますが本商品は9990円。信じられないほどに格安です。
FIREGLOW PPS-01 パワーサプライ
参考価格:
12,800
円
価格情報は以下に表示された日付/時刻の時点のものであり変更される場合があります
amazon.co.jp:2024年11月21日 14:18時点
shopping.yahoo.co.jp: 2024年11月15日 07:51時点
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エフェクターボードの配線をまとめるのに便利なループスイッチャー
エフェクターを直列で多くつなげると、その分、音の信号は変質し、いわゆる「音痩せ」という状態になってしまうことがあります。また、電気的な接点が増えるため、機材トラブルの原因となるポイントも同時に増えてしまいます。さらに、複数台のエフェクターを足で同時に踏み変えるなどの操作も難しくなるケースがあります。
これらを解消するために、ループスイッチャーという機材を導入して、エフェクターを並列に接続してまとめて操作する、という方法があります。
ループスイッチャーは様々なメーカーから発売されていますが、有名なところではOne Control、Providence、BOSS、FREE THE TONEなどのメーカーの製品はプロミュージシャンにも愛用者が多くいます。
エフェクターボードのお手入れの仕方
エフェクターボードの手入れについて、唯一重要なのはマジックテープによるエフェクターの保持力です。保持力が弱まってしまうとエフェクターは固定されずにエフェクターボードの中で暴れ、本来エフェクターボードによって受けられるはずの恩恵は受けられなくなってしまいます。
それを防ぐためにもマジックテープについたゴミはマメにとるようにしてください。セロハンテープなどでペタペタととるだけでも効果はあります。足元に置くものなので埃が入ることも多く、この手入れは可能ならこまめにやりたいですね。
音質にも影響する、奥深い「エフェクターボード」の魅力
エフェクターボードを組み始めるとその魅力や奥の深さにどんどんとはまっていくと思います。きれいな配線をすると音が良くなるのは本当で、ケーブルの取り回しの仕方によってはノイズを低減したり、トラブルに遭遇する可能性を低くしたりできます。
きれいな組み込みにはエフェクター自体のチョイス、パッチケーブルのチョイス、電源ケーブルのチョイス、たくさんの要素が必要とされますが、エフェクターボードは基本的に買い替えづらいものではあります。最初から自分にぴったりのエフェクターボードを選びたいですね。