ファンドフレットベースのメリット、弾きやすさの解説とおすすめ4選

BestOne編集部

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近年流行しているファンドフレットシステムについて、その概要やメリット、弾きやすさについて解説。Dingwall、Ibanez、LTDなどといったメーカーからおすすめのモデルを紹介しています。

この記事に登場する専門家・担当者

ベース専門店・Geek IN Box代表 嵯峨駿介さん
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
東京・御茶ノ水の大手楽器店にて数千本のギター・ベースのリペア、メンテナンスを経験。現在は、横浜でベース専門店「Bass Shop Geek IN Box」を立ち上げ、リペアや販売をする傍ら、様々なメディアで記事の執筆もこなす。 ※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しており、所属する株式会社ビレッジグリーン及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません
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目次
“ファンドフレット”とは
ファンドフレットによって得られる有用性
ファンドフレットベースは弾きやすいのか
おすすめのファンドフレットベース
ファンドフレットベースに使う弦
ファンドフレットのメリット、デメリットのまとめ
この記事に登場した専門家

“ファンドフレット”とは

ベース専門店・Geek IN Box代表 嵯峨駿介さん
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
ファンドフレットとは、フレットを扇状に配して弦ごとに異なるスケールをあてはめた仕組みのことです。複数のスケールが1つの楽器に使われることから、マルチスケールと呼ばれることもあります(厳密に言えばマルチスケール=ファンドフレットではありませんが)。
ピアノの弦
マルチスケールを採用した楽器の代表格と言えば”ピアノ”。言わずと知れた完成度の高い楽器ですね。マルチスケールを採用したピアノは弦によって最適なスケールを得ることで、サウンドにとって理想的なバランス感覚を獲得しています。

ファンドフレットによって得られる有用性

ファンドフレットを搭載したLTDベース
ファンドフレットシステムを採用することで高音弦は短く、低音弦は長く、というように各弦に対して適切なスケール(長さ)が得られます。この有用性はピアノでも証明されているように、各弦の弦振動は最適化され、スムースで長いサステインが得られるようになります。

このメリットを最も感じるのが低音弦でしょう。ローB弦やダウンチューニングをしたときのE弦は音程感が薄くなってしまう問題が起こることがあります。ファンドフレットを採用したベースではこの課題が大きく改善されており、ファンドフレットシステムのパイオニア、ディングウォールのローB弦のサウンドは楽器関係雑誌から"Voice of god"’(神の声)のようだと評されるほどです。

ファンドフレットベースは弾きやすいのか

ファンドフレットシステムを採用しているかどうかに関わらず、「弾きやすいかどうか」とはベース全体のデザインが優れているか否かによります。そこを踏まえて解説すると、ファンドフレットであるからといって特に大きく弾きづらさを感じるものではないと言えます。特にローポジションでは考えている以上に違和感はないと思います。ただし、少し違和感が出るのがハイフレットでの演奏です。ここに関しては慣れないうちは目視が必要でしょう。

見た目が特殊なファンドフレットですが、その分大きな利点もあるため、試してみる価値は十分にあります。初めてファンドフレットにトライしてみたいという方へ、弾きやすさという観点で間違いなくおすすめできるモデル、ファンドフレット用に開発された弦を次項から紹介します。

おすすめのファンドフレットベース

LTD B-1005SE MULTI-SCALE

ESP傘下のブランドであるLTDは優れたデザインと加工精度を持っています。そのため、ベース業界では新たな技術であるファンドフレットシステムも難なく取り入れて優れた製品を発表しました。

ボディバックにアッシュ、ボディトップにはローズウッドを採用した何とも豪華なウッドマテリアル。ピックアップはノードストランドのBig Splits、ブリッジにはヒップショット、ペグにはGOTOHを採用したハイスペックモデル。安価にファンドフレットを試してみたい方におすすめです。

ESP LTD B-1005SE MULTI-SCALE

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Maruszczyk Instruments / Frog Omega 5a Headless Multi Scale Quilted Ash Top White

近年注目を集めるヨーロッパのベースブランドの中でも勢いのあるマルシュテックが開発したモデル。ファンドフレットシステムやヘッドレスなど、現代的な仕様が詰め込まれながらも非常にバランスよくデザインされています。

1弦では33.5インチ、5弦では35インチと比較的緩やかなマルチスケールのために他社の同仕様のものよりも馴染みのあるものだと思います。ヘッドレス+ファンドフレットの組み合わせはまだまだ馴染みの薄いものなので、ぜひ1度試してみてもらいたいですね。

Maruszczyk Instruments / Frog Omega 5a Headless

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DINGWALL SJJ5-IS "Super J"

ディングウォールはファンドフレットシステムを有用なものであるとベース業界に示したパイオニアです。Super Jと呼ばれるこちらのモデルはジャズベースのサウンドをモチーフにしています。実際に演奏してみると、そのルックスからは考えられないほどの”JBサウンド”を感じられます。

ピックアップにはパッシブのFDVピックアップ、プリアンプにはハイレンジでナチュラルなグロッケンクラングの3バンドタイプが採用されています。特徴的なロータリースイッチによるピックアップの組み合わせを含め、フレキシブルなサウンドメイクによって実用性の高いサウンドを楽しむことが出来る1本です。

Ibanez SRMS805

ディングウォールが大ヒットを飛ばし、日本国内でシェアを伸ばし始めたときに真っ先に反応してファンドフレットシステムを取り入れたのがアイバニーズでした。

本モデルは定番シリーズSRをベースにしてファンドフレットシステムに最適化したデザインが施されたSRMS805です。SRシリーズらしくコンパクトなボディとスリムなネックは高いプレイヤビリティをプレイヤーにもたらします。ピックアップにはバルトリーニが採用されている点も非常にポジティブなポイントですね。
型番:SRMS805

Ibanez マルチスケール・エレキベース

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DINGWALL NG-2 5strings Adam ”Nolly” Getgood Signature Model

壮大な世界観と緻密なテクニカルプレイで世界的に人気のメタルコアバンド「Periphery」のアダム・ノリー・ゲスグッドのシグネイチャーモデル。こちらのモデルは日本市場で高い人気を誇り、登場しても即完売してしまう状況が続いていました。

1弦で34インチ、5弦で37インチのマルチスケールモデルで、ローB弦は37インチでなければ得られない深くはっきりとした発音が特徴的。プリアンプには人気メーカーダークグラスエレクトロニクスのトーンカプセルが採用されています。

DINGWALL NG-2 5strings Adam ”Nolly” Getgood Signature Model

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Dingwall(ディングウォール)ベースの特徴と高評価の理由 - PICUP(ピカップ) Dingwall(ディングウォール)ベースの特徴と高評価の理由 - PICUP(ピカップ)>> ディングウォールのベースについて、その特徴や評価、愛用しているアーティストについて解説します。NG-2やリーランドスカラーモデル、D-Birdなどのプロダクトについておすすめのモデルを紹介しています。

ファンドフレットベースに使う弦

ファンドフレットシステムを採用したベースは、最も長い部分でスケールが37インチになることもあります。つまり、一般的な弦では長さが足りず張ることが出来ません。これはファンドフレットシステムの持つデメリットかもしれませんね。

しかし、当然ながらファンドフレットシステムを採用したベースに対応する弦も発売されています。また、基本的に長い方向で問題がなければ弦は張れるので、そこはトライしても良いかもしれませんね。

DINGWALL CUSTOM BASS STRINGS [STAINLESS 5ST] SET ROUND-WOUND .045-.127

自身がベースメーカーでもあるディングウォールがPrimaシリーズやZシリーズ、Afterburnerシリーズなどに出荷時に使っている専用弦がこちらです。ディングウォールらしいスムースでパンチのある低音、張りのある高音が得られる高品位なモデル。こちらのモデルの素材はステンレスですが、ニッケルを素材にしたものもラインナップされています。

DINGWALL DINGWALL CUSTOM BASS STRINGS [STAINLESS 5ST] SET ROUND-WOUND .045-.127

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ニッケルモデル

DINGWALL DINGWALL CUSTOM BASS STRINGS [NICKEL 5ST] SET ROUND-WOUND .045-.130

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ファンドフレットのメリット、デメリットのまとめ

メリット

  • 各弦に適正なスケールが得られ、特に低音弦のサウンドが明瞭になる
  • 通常のスケールのベース以上にサステインが得られる
  • スケール長が十分に確保されているため、1音下げ以上のダウンチューニングでもテンション感を損なわない

デメリット

  • スケール長が35インチを超えるため、交換できる弦は限られる(特に低音弦は一般的に市販されているスケールでは合わない)
ディングウォールの登場を境にしてファンドフレットシステムはベース、ギター業界に驚くべき早さで浸透しました。特にローB弦やE弦のダウンチューニングを多用する現代のベーシストにとってこれは歓迎するべきシステムで、瞬く間に高い人気を獲得しています。まだあまりラインナップは多くはありませんが、今回紹介したいくつかのモデルは確かなクオリティを発揮し続けるメーカーの製品ばかり。これらを参考にしてぜひ自分にぴったりのベースを探してみてください。

この記事に登場する専門家・担当者

ベース専門店・Geek IN Box代表 嵯峨駿介さん
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
東京・御茶ノ水の大手楽器店にて数千本のギター・ベースのリペア、メンテナンスを経験。現在は、横浜でベース専門店「Bass Shop Geek IN Box」を立ち上げ、リペアや販売をする傍ら、様々なメディアで記事の執筆もこなす。 ※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しており、所属する株式会社ビレッジグリーン及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません
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