「ライブで打ち込みを流して演奏するには何が必要?」「iPadやiPhoneで同期演奏する方法は?」「打ち込みを同期するときのオーディオインターフェイスはどれを選べばいいの?」といった、ライブの同期演奏についての疑問から、同期演奏に必要な機材のおすすめ商品までご紹介します。
初心者必見!同期演奏の基本ポイントとは?
▼同期(オケ)とは?
一般的に多くみられるバンドの構成といえば、ドラム・ベース・ギター・ボーカルです。ここにキーボードなどが居たりと編成は多少前後します。楽曲に民族楽器やバイオリンの音、シンセサイザーのサウンドなどを入れたくても、一般的な編成ではライブで全てのサウンドを完全再現するのは難しいですよね。
そんなとき、あらかじめ用意した音源を流すことで、より個性溢れる楽曲をライブで披露できるようになります、この音源を流すことを、生演奏と同期させることから「同期」と呼んだり、「オケ」(=バックのオーケストラ)と呼ぶこともあります。
実際プロのライブでも、コーラスパートは同期を使うとか、足りないパートはオケを流すなどこともありますが、いきなりやってみようと思っても、まず何から始めたらいいか分からないものです。そこで今回は、必要な機材と共にどんな前準備が必要なのかをご紹介します。
▼同期演奏で気を付けることは?
同期について把握したあとは、同期演奏で気を付けなければいけないポイントがあるため、ここから順番に解説をしていきます。
1.音を詰め込み過ぎない
シンセサイザー・ストリングス・民族楽器・ピアノ・ギター・ベース・ドラム……など、同期を使えば色々な音でも流すことは可能です。しかし、ライブの魅力はやはり生演奏にあります。なんでもできるからといって、詰め込み過ぎるとせっかくの楽曲が台無しになってしまう場合もあるため注意が必要です。
ここで大切なのは引き算です。生演奏があって、よりそれが引き立つオケを作ることができれば、より魅力をお客さんに伝えることができるといえるでしょう。
2.音源制作ソフトは必須
いくつか必要になってくる機材は後述しますが、ここではまずオケを作るために必要な音楽制作ソフトについて解説。音楽制作ソフト、いわゆるDAWソフトは、Cubase、Studio One、Logicなど、色々な種類が存在します。
DAWの基本的な機能はどれも似ていますが、付属しているプラグインエフェクトやプラグインインストゥルメント、ループ音源などが異なり、特徴的な機能も音楽制作スタイルによって違ってくるため、無料版などを試しながら、自分に合ったものを見つけてみてください。
そして、ライブでオケを流すには、まずそのオケを作らなくてはいけません。基本的には打ち込みと呼ばれる、演奏データを先に入力し、それを再生する手法を用います。バンドメンバーが演奏する楽器以外に必要な音源を作成して、リハスタで色々試してみるのがよいでしょう。
同期演奏に必要な機材|PC・オーディオインターフェース
PCとオーディオインターフェースは、一番応用が利くためおすすめです。ですが、PCのスペックが低かったりすると、ライブで止まってしまうなどのトラブルの原因になってしまいます。理想は、サブ機を用意することですが、予算上そこまで用意できない場合には、最低でもそのPCは音楽用にしておくと良いでしょう。
また、作ったオケはMIDIをソフトウェア音源で鳴らしている状態ではなく、オーディオファイルに変換、フリーズさせておくと、ある程度動作を軽くすることができます。コーラスパート、ストリングス系、シンセ系…など、パート毎に4つか5つぐらいのステムにまとめておく方法がおすすめです。
リハスタの大きいスピーカーで鳴らしながら、実際に演奏している楽器と同期で流している楽器の帯域が被っていないか確認することも大切です。またライブハウスによって鳴り方が変わってくるので、余裕があればイコライザーを使って調整してあげましょう。
▼クリックだけを単独で流せるように
基本的に同期を流す際は、オケをメインスピーカーへ送り、クリックを聴きながら演奏します。ドラマーがクリックを聴きながら叩くことが一般的で、ドラマーのところにだけクリックを鳴らさなければいけません。外にクリックの音が出ていたら台無しですからね……。
その設定は、オーディオインターフェースの機器の設定または、PCのミキサー画面及びDAWなどから行います。こればかりは、機材やDAWのソフトによって違うためにここではすべてを説明しきれないので、その都度機材のマニュアルなどで調べてみてください。
オーディオインターフェースによっては、搭載されているヘッドホンアウトからでは、十分な音量を得られない場合があります。そのときは、ヘッドホンアンプやミキサーを使うなどして、大音量の中でもしっかりとクリックが聴こえる環境を整えておきましょう。
▼おすすめのオーディオインターフェイス
同期で使うオーディオインターフェースは、最低でもステレオ1chのアナログアウトが必要です。しかしヘッドホンアンプを使う場合、ステレオがもう1ch必要になったり、たとえばパートを分けてPAに送りたいとなった場合、それに応じたチャンネル数が必要になってきます。チャンネル数が多ければ多いほど、機材自体も値段が高く、大きく運びにくくなるため、用途に合った製品を選ぶといいでしょう。
型番:Scarlett 8i6 (gen3) [S]
Focusrite(フォーカスライト)
オーディオインターフェイス
参考価格:
26,500
円
Scarlettオーディオインターフェースシリーズの三世代としてリニューアルされました。8chものインプットを装備し、「ISAプリアンプ」というFocusrite伝統のプロフェッショナル用の増幅回路で、クリアな音とアナログ感を絶妙にマッチさせたサウンドの録音が可能です。
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同期演奏に必要な機材|iPadとミキサー
▼運搬性に優れた組み合わせ。通信は必ずOFFにして
iPadとミキサーの組み合わせは、シンプルで持ち運びのしやすいタイプです。iPadで2mixを音楽再生アプリから流す場合は、LR出力の片側にオケを、もう片側にクリックを流す必要があります。この場合、出力される音はモノラルになってしまいます。
またスマホから流すときには、機内モードをONにしておかないと、通知や電話の着信がなってしまい、ライブが台無しになってしまいます。PCの場合にも共通の注意事項として、バッテリーの管理もしっかりと行っておきましょう。
▼おすすめのミキサー
iPad/iPhoneを使う場合には、Y字ケーブルを用意して、片側がステレオミニプラグ、もう片側がフォンプラグ×2のケーブルが必要です。まず、スマホにY字ケーブルを挿して、会場で流したい音源側のチャンネルをPAに送り、もう片側のモニター用の音源をミキサーに挿します。後は、PA側で会場の音量を調節してもらい、手元のミキサーで自分の音量を決めれば完成です。
MACKIE(マッキー)
超コンパクトアナログミキサー
参考価格:
10,670
円
超コンパクトで豊富なラインナップ!
MACKIE(マッキー)には、必要最低限の機能は全て揃ったコンパクトアナログミキサー、MIX5。MIX5、MIX8、MIX12FXというラインナップが用意されているので、使用用途や必要なチャンネル数に応じて、どれにするか選択していくといいでしょう。MIX5はコンパクトミキサーデザインで全世界を導いてきたMACKIEのリーズナブルで高品位なミキサーです。
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同期演奏に必要な機材|MTR
▼MTRはPCよりもトラブル発生率は低い
MTR(マルチ・トラック・レコーダー)をライブで同期をするために使う機材として紹介します。MTRとは複数のトラックを録音できる機材です。音源を作成するときには、さまざまな作業が可能なDAWを使用してください。
2mix音源をPA側に送り、クリックの入ったリズムトラックをドラマーに送るという流れになります。PCを使って同期する場合だと、PCのスペックによっては止まることもあるので、ハイスペックのPCを用意できない場合にはMTRを使った方がトラブルの発生を抑えることができます。
▼おすすめのMTR(マルチトラックレコーダー)
同期演奏の機材の主役ともいえるMTRは、トラブルが起きない機材であることが最も重要です。さらに、持ち運びに便利なサイズであると嬉しいですね。
ZOOM(ズーム)
マルチトラックレコーダー
参考価格:
19,980
円
曲ごとのプロジェクトを順番に連続再生
PCなどで作ったWAVファイルをインポートすることやクリックをヘッドホンにだけ出すことが可能で、同期音源を流す際には大変便利です。また、シーケンスモードという、1曲ごとのプロジェクトを順番を決めて連続再生できる機能もあり、ライブの流れを止めずに次の曲にスムーズに移ることができます。さらにオーディオインターフェースとしても使用可能なので、自宅での音源制作からライブまで幅広く使用することができます。
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その他に必要な機材もチェック
▼ケーブル
ケーブルの長さは3~5mあれば大体どこのライブハウスでも届きます。5mあるとリハスタの部屋のサイズにもよりますが、ドラムの手元に同期機材を置いて、ミキサーに繋げるときに楽です。
ライブで同期機材を使うときは、ライブハウス側で備えてあるDIに接続する形になります。同期機材を使うときは、事前にライブハウス側にその事を伝えておきましょう。
MOGAMI(モガミ)
赤白ライン 2本ペアケーブル (5m, 黒)
参考価格:
9,000
円
日本で愛され続ける信頼のケーブル
日本の音楽業界のケーブルは、モガミ2534かカナレ4E6Sのどちらかに当てはまるとされています。音質としてもは、フラットで癖のない音質となり、ノイズなども入りにくいとされています。長さのバリエーションもさまざまですので、自宅用とライブハウス用など、複数もっておくと安心です。
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CANARE(カナレ)
RCAケーブル (7m)
参考価格:
2,860
円
繊細な音にも強い
カナレ4E6Sも日本の音楽界でよく使用されているケーブルです。特にミキサーによく使用されています。プラグの種類に注意して、必要なものを選びましょう。音質はフラットでありながら繊細な音も楽しむことができます。ケーブルの作り自体も非常に丈夫でしなやかに動き、高級感があります。音楽のジャンルを問わず使用できるのもポイントです。
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▼イヤホン
イヤホンはイヤモニと呼ばれるものを使うのが一般的です。また、ケーブルを簡単に変えることができるので、もし断線してもケーブルを交換するだけで済みます。少し高いですが、耳の型を取って作るオーダーメイドという方法もあります。耳の形にもよりますが、汗がイヤホンと耳の間に入ってきてしまうことがあります。それを防ぐためにも、オーダーメイドすると、より自分の耳の形に合った外れにくいイヤモニを作ることができます。
SHURE(シュア)
イヤホン SEシリーズ
参考価格:
17,099
円
ノイズを90%以上も低減
比較的安い製品でいうとSHUREのSE215はおすすめです。遮音性も高く、周囲のノイズを90%以上も低減してくれるとされています。本体にはワイヤーが付いており、耳から外れにくく、しっかりした快適なフィット感があります。ドライバーは低域が強化され、クリアに音をキャッチすることができます。
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▼PC・iPad用スタンド
曲の間などで操作することを考慮すると、しっかり固定できるスタンドは重宝するでしょう。なるべく、立てるタイプより、固定できるタイプの方が振動で倒れることも少なくなります。また、マイクスタンドに取り付けるタイプもあるので、何が自分に合ってるか探してみてください。
HERCULES (ハーキュレス)
スマートフォンホルダー
参考価格:
3,366
円
必ず自分にぴったりの位置でキープできる
スマートフォンをしっかり固定してくれるホルダーです。角度調節は無段階で、テーブルは360度回転してくれるので、必ず自分にぴったりの位置をキープすることができます。取り付け対応パイプサイズは、丸パイプ 15.8 25.4 mm (0.62-1")、 角チューブ 19mm (0.75")となっています。
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HERCULES (ハーキュレス)
タブレットホルダー
参考価格:
14,592
円
細かい角度も調整可能
iPadなどのタブレットを丸型、角型パイプに取り付けることができます。丸パイプは15.8 – 30mm (0.62~1.18″) 、角パイプは18 – 25.4mm (0.7~1″) に対応。角度も細かく調整することができるので、見やすい位置に取り付け可能です。ただし厚さが10 – 25mm (0.39~0.98″) の対応となりますので注意が必要です。
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まとめ|あらゆる事態を想定して準備をしよう!
同期機材について紹介しました。同期機材は、PCとオーディオインターフェースを使う方法、iPadやiPhoneを使う方法、MTRを使う方法などありますが、やはりトラブルはつきものです。リハーサルで入念にチェックをしていても、いざ本番になって「PCが止まった!?」などの事態が起こりえます。そういったときに、生演奏で最後まで演奏しきるのか、それとも仕切り直すのか、あらゆる事を想定してライブに挑みましょう。
ライブでオケを流せると楽曲に個性や迫力、豪華さを出すことができ、ライブの演出としても大きな魅力になり得るため、是非積極的に挑戦していって下さい。