ギターの改造について、リフィニッシュやハードウェアの交換、電装系に関して解説します。ピックガードやノブ、塗装のためのオイル、ピックアップなどの改造のためのアイテムやパーツについても、おすすめを紹介します。
ギターの改造
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
今持っているギターが物足りなくなってきたとき、おそらく新しいギターを探し始めることがあると思います。そんな時には、今のギターを改造してみるのも良い手ではないでしょうか?
例えば、ピックアップをハイグレードなものに交換することで、サウンドのクオリティは大きく向上することがありますし、ピックガードを交換することで、ルックスの印象を大きく変えることができます。
エレキギターはパーツが多いので、このようなカスタムもエレキギターを楽しむ秘訣のひとつではないでしょうか。
ビジュアル面の改造
初心者でも変えやすいピックガード
ピックガードはボディトップを大きく覆うパーツです。これを交換することで、ルックスが大きく変わるのは想像に難しくありません。
また、例えばストラトキャスターを例に出すと、モデルによってはボディのザグリが大きく取られていることがあります。そのような時にはピックガードのみの交換で、木工加工をせずに、シングルコイルピックアップからハムバッキングピックアップへの交換が可能なことがあります。
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コントロールノブ
コントロールノブは、実はボリュームをコントローするパーツとは分かれており、交換が可能です。安価なものも多く、種類も多く市場に流通しているため、気軽に交換できるのが魅力的ですね。
ハイグレードなウッドマテリアルを贅沢に使ったノブや、精巧な作りによって正確なコントロールを手助けできるようなノブも近年では人気を博しています。単なるルックス面でのカスタムに留まらず、演奏性にまで影響することを考慮すると、ノブひとつとってもよく考えてみる価値のあるものと言えるかもしれません。
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ボディの塗装
ボディのカラーを変更する、塗装をやり直すことを「リフィニッシュ」といい、定番のカスタムとして多くのミュージシャンが行っています。
ルックスを大きく変更できるのはもちろん、例えば厚い塗装を剥いで薄い塗装を施すことで、楽器本来の能力を引き出すことにつながることもあります。最近ではオイルフィニッシュを施したモデルも既製品には多くなっており、オイルフィニッシュのためのオイルも流通しているため、DIYでこのカスタムを行うことも難しくありません。
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楽器の命、チューニング精度を上げる改造
ペグ
弦を巻き上げてチューニングを調整する役割を持つペグのクオリティは、当然チューニングの安定性に直結します。ベースという楽器の特性上、音程には大きく気を使うべきであり、ペグをハイグレードなものに交換するのは非常に有用なカスタムです。
また、軽量なペグに交換することで、構えたときのバランスを大きく改善することも可能です。ヘッドが軽くなることによりバランスが改善され、またそれによってサウンドにも変化があります。ですので、逆に重いタイプのものに交換するのもカスタムとしては十分にアリですね。
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ナット
ナットは弦を支えるパーツとして、サウンドはもちろん、演奏性に大きく影響します。演奏性に関しては、素材というよりも精度が重要であり、弦をはめる溝の幅や深さが適切でなければ弦のビビリの原因になったり、サスティーンが短くなる原因になったりします。
また、素材としては牛骨が定番ですが、そのほかにタスクやカーボン、ブラスなどが用いられることがあります。いずれにせよ、この部分に関してはリペアショップに調整を依頼するのが無難ですね。
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半田ごてを使う電気系統の改造
ピックアップ
ピックアップは弦の振動を拾うマイクの役割を果たすパーツです。コイルを巻くワイヤーの太さや皮膜の種類、マグネットの種類などによって、ピックアップは様々な特性を発揮し、その特性はメーカーやモデルによっても様々。求めるサウンドによって最適なピックアップは当然異なるため、ピックアップの交換はギタリストにとって定番の改造として親しまれています。
販売価格が5万円に満たないモデルでは、高品位なピックアップが使われることは多くなく、この価格帯のギターはピックアップを変えることで大きくクオリティを改善されることが多々あります。
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コンデンサ
コンデンサは主にトーンコントロールに使われるパーツです。簡単に説明すると、コンデンサは高音域を通す特性を持ち、それによって通った高音域のみをボリュームコントロールすることで動作するのがトーンコントロールです。
例えば、コンデンサの値を調整して通っていく音域を狭くすると、プレゼンス成分だけをカットできるようになり、調整によって通る音域を広くすることで、さらに大きく丸いサウンドになるまでコントロール幅を広げられます。
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配線
配線材はピックアップで拾った信号を通す役割を担います。その種類は多岐にわたり、当然サウンドも大きく異なります。
例えば、配線材によってレンジを広げることでさらに奥行きのあるサウンドを得たり、ノイズに強い配線材を使うことでノイズレベルを抑えたり、サウンドのディテールを微調整できます。また、ワイヤリングのアレンジによってサウンドを変化させたり、コントロールを変化させることもできます。
改造する際の注意点
自分で改造する際には、不可逆の作業をできるだけ避けることをおすすめします。例えば、ブリッジ交換のために、木工加工を行って失敗したら元には戻せませんし、それをカバーするのには、さらに余計な工賃がかかってしまいます。
ですが、例えばピックアップを交換するために、半田付けにトライすることはどんどんやってみてください。失敗したとしても、さほど費用もかからず、私たちリペアショップのスタッフがカバーできます。
ギターをカスタムして自分の好みを追求しよう!
アコースティックギターやトランペット、ピアノのような楽器に比べると、エレクトリックギターは多くのパーツによって構成されており、そのパーツのチョイスによってサウンドやルックス、演奏性は大きく変化します。この点について自分の好みを追い求めてカスタムを重ねるのもギターを楽しむ方法のひとつではないでしょうか。
私の店「Geek IN Box」のようなショップに依頼するのはもちろん、DIYでのカスタムにもトライしてみてください。自分で自分のギターをカスタマイズできるようになると理解が深まり、プレイにも大きく好影響を及ぼすことができます。