フェンダーのギターアンプのツイード期、CBS期などを含めた歴史やその特徴、評価、使い方について解説。小型の練習用コンボアンプから大きいステージ用の大型コンボアンプまで、いくつかのオススメのモデルを紹介しています。
フェンダーアンプの歴史
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
【1950~1960年頃】アンプ黎明期のツイードアンプ
1950年代から1960年頃までのフェンダーアンプで、カバンによく使われたツイード素材でカバーされたアンプがツイードアンプと呼ばれるものです。おそらく一般的にイメージされるフェンダーのアンプのサウンドと比べると歪みは深く、激しいサウンドが特徴的。時代が進むごとに大きいサイズのものもリリースされ、小さな出力のものからかなり大きい出力のものまで、幅のあるラインナップです。
【1960~1964年頃】クリーンなサウンドを志向したブラックフェイス
1960年後半から1964年頃までの時期のアンプは外見からホワイトフェイスやブラウンフェイスと呼ばれ、マイナーチェンジが加えられました。細かなアレンジが落ち着いたのが1964年8月のことで、このタイミングを境にしてブラックフェイスと呼ばれるものになります。ツイードアンプに比べると幾分クリーンなアンプが多く、世界的に高い評価を受ける名機、"TWIN REVERB"はこの時期に開発されたものです。
【1965~1985年頃】CBS期のシルバーフェイス
1965年からCBSがフェンダーを買収し、デザインを変更した結果のものがシルバーフェイスと呼ばれるものです。ベーシックな部分はブラックフェイスと共通していますが、より激しい歪みが求められる70年代ロックが台頭してきた時期に、さらにクリーンなサウンドになるアレンジを施してしまいます。同時期のマーシャルやメサブギーの台頭と重なり、これ以降フェンダーは売上を落としてしまいます。CBS期のアンプがあまり高く評価されないのはこれが原因の1つだと言われています。
【1986年以降】CBS以降のフェンダーアンプ
1986年以降の"FENDER MUSIC INSTRUMENTS"による経営によって、高く評価されていた時代のフェンダーアンプを取り戻すための施策が行われます。具体的にはSUPER、CONCERT、THE TWINと呼ばれる新型のアンプを発表し、往年の名機であるツイードのBASSMAN、ブラックフェイスのTWIN REVERB、ブラウンフェイスのVIBROVERBを完全に復刻しました。これ以降フェンダーは数々のアンプを復刻し、また新たなアンプを開発にも大きな力を注ぎ、それらのプロダクトは今なお高く評価されています。
現行のフェンダーギターアンプの特徴・評価
クラシックなスタイルのアンプはもちろんのこと、これまでに蓄積した経験や技術を駆使した最新アンプも多くリリースしています。それらのアンプ類はプロギタリストやレコーディングエンジニアなどから高く評価されており、実際に多くのステージやレコーディングで愛用されています。一時期落としてしまったフェンダーアンプの評価は完全に復活しており、数十年前に比べて爆発的に増えた数々のアンプメーカーの中でも随一の存在感を放っています。
フェンダーギターアンプの使い方
フェンダーのトラッドなギターアンプは、ボリュームの大きさに合わせて歪み具合が変わることがあります。ここを踏まえ、まずは適切な音量を設定することが最初に大事なポイントです。また、現代のアンプと比べて特徴的なのがイコライザーで、特にトラッドなアンプではイコライザーの真ん中が実際の波形のイコライジングとしてフラットなところではありません。そのようなアンプにおいて最もフラットなのはベースとトレブルが0、ミドルが10のポイントです。音作りに迷った時にはこのポイントにしてみるのもいいかもしれませんね。
おすすめのフェンダーギターアンプ
Fender FRONTMAN 10G
クラシックなフェンダールックの小型コンボアンプ。10Wの出力に6インチのスピーカーユニットを搭載したミニマルなモデルですが、サウンドは十分にフェンダーらしく自宅での練習には十分すぎる音量が得られます。音楽プレイヤーとの連携のためのAUXインプットはもちろんのこと、ヘッドホンに出力するための端子も搭載。ステージではなく自宅練習にフォーカスしたからこその高いコストパフォーマンス、過不足のない機能は非常に魅力的だと思います。
Fender
Fender FRONTMAN 10G
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11,093
円
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Fender 57 CUSTOM CHAMP
フェンダーチャンプは小型のオールチューブアンプとして知られています。最も有名なチャンプエピソードはエリック・クラプトンにまつわるもの。世界で最も有名なギターリフの1つが使われる”Layla"のレコーディングにおいて、長いサスティーンとドライブを得るためにチャンプを使用されたとされています。本モデルは57年のツイードのチャンプをモチーフにしたリイシューモデルで、オリジナルに忠実にデザインされています。
Fender
Fender 57 CUSTOM CHAMP
参考価格:
192,000
円
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Fender 68 CUSTOM DELUXE REVERB
60年代後半、シルバーフェイスの時期のDELUXE REVERBのリイシューモデル。オールチューブで構成された本モデルは美しいクリーンサウンドが大きく魅力的です。本物のスプリングを使用したスプリングリバーブを搭載しています。また、チャンネルは2つ用意されており、VINTAGEはシルバーフェイストーン、CUSOTMはBASSMANのサウンドをモチーフにしています。一人二役、お買い得なアンプです。
Fender
Fender 68 CUSTOM DELUXE REVERB
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215,996
円
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Fender 68 CUSTOM TWIN REVERB
2基の12インチエミネンススピーカーを搭載した重量級のコンボアンプ。1968年に登場し、瞬く間に高い人気を獲得したシルバーフェイスをモチーフにしています。改良を加えたオールチューブサーキットによりジューシーな倍音を豊富に含んだクリーンサウンドはさらに上質な仕上がり。CUSTOMチャンネルにはBASSMANの歪みが得られるサウンドが搭載されており、さらに幅の広いサウンドが楽しめます。
Fender
Fender 68 CUSTOM TWIN REVERB
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212,936
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Fender SUPER-SONIC 22 BLONDE
統的なフェンダーのチューブトーンとハイゲインなドライブサウンドを兼ね備えたアンプです。vintageとburn、2つのチャンネルを搭載しています。vintageはトラッドなフェンダーチューブトーンで、burnは深い歪みが得られるオーバードライブチャンネルになっています。特にこの歪みチャンネルは今までのフェンダーとは少し方向性の異なるもので、激しくブルージーでディープ。今までのフェンダーアンプのドライブサウンドに納得がいかなかった方にぜひ試してもらいたいですね。
Fender
Fender SUPER-SONIC 22 BLONDE
参考価格:
245,000
円
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フェンダーはギターのみならず、アンプにおいてもパイオニアとして知られています。マーシャルも最初はフェンダーBASSMANを模倣しており、フェンダーアンプこそが全てのチューブギターアンプの父だと言っても過言ではないほど。半世紀以上の間多くのミュージシャンに愛され、また多くの名演や名曲を支えたのがフェンダーアンプです。もしも自分にぴったりなギターアンプを探そうとしているのであれば、まずはフェンダーアンプを試してみるのも良いのではないでしょうか。