ZOOM(ズーム)マルチエフェクターの歴史や音の評価、その特徴や長所、使い方について解説。G3n、G5nの新旧Gシリーズ、MS50、MS70CDRのMSシリーズからそれぞれおすすめのモデルを紹介しています。
エフェクターメーカー「ズーム」の歴史
ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
ズームは1983年の創業以来、ハンディレコーダーやレコーディング機材、ギター、ベース用のエフェクターの開発を積極的に続け、現在では多くのミュージシャンの信頼を集める名門メーカーとして認識されています。
特にマルチエフェクターは評価が高く、現在のGシリーズやMSシリーズに繋がる数多くの名機を開発してきた歴史を持ちます。特に直近数年のズーム製マルチエフェクターの勢いは目を見張るものがあり、実際にプロミュージシャンの現場でもよく見かけるほどです。
ズームのマルチエフェクターの音の評価は?
ズームのマルチエフェクターは特にディレイやリバーブなどの空間系、そしてコーラスやトレモロなどのモジュレーション系の音質において高い評価を獲得しています。
また、シミュレーターとしても質が高く、名機と呼ばれるヘッドアンプ、キャビネットのサウンドを多く内蔵します。
プロミュージシャンの足元を見ると、こだわりの歪みエフェクターとワウペダルとズームマルチエフェクターを組み合わせていることが多く、サウンドの美しさやきらびやかさ、そしてバリエーションの豊富さが求められる空間系とモジュレーション系をマルチエフェクターによって補っていることがわかります。
ズームマルチの特徴と長所
シンプルで明快なインターフェース
ズームが近年高く評価される大きな要因のひとつは、間違いなくシンプルで明快なインターフェースです。従来のマルチエフェクターは複雑な機能や性能をシンプルにコントロールするインターフェースを持たず、操作性に難がありました。
しかし、近年展開するズームマルチエフェクターは、まるでコンパクトエフェクターをそれぞれ操作するようなシンプルなインターフェースを採用しており、普段マルチエフェクターを使わないユーザーであっても、手に入れてすぐに自分の操作したいように操作することが可能になっています。
リアルに再現するアンプシミュレーター
定番のマルチエフェクターとして大ヒットしたG3では13種類の定番のアンプに加え、9種類の先進的なモダンアンプをシミュレート。ヘッドアンプのみならず固有のキャビネットのシミュレーションも内蔵しており、スピーカーの数や素材によって異なる物理的な音響特性まで精密にシミュレートします。
また、ヘッドアンプとキャビネット、それぞれを異なるメーカーのものを組み合わせることも可能で、まだ世の中にはない新しいサウンドを探すこともできます。
様々なシチュエーションに対応する入出力端子
ズームのマルチエフェクターには多様な入出力端子が搭載されています。例えば、上述したG3ではミキサーに出力するバランスアウト、ステレオのフォンアウト、DAWに簡単に接続するUSB端子、フォンイン、外部コントロールインを装備。
自宅での練習やレコーディングからリハーサル現場での音の作り込み、ライブの現場でのラインの取り回しまで多彩な使い方が可能。ギタリストが必要とする要素をほぼ全て網羅した仕上がりになっており、これに不足を感じることは一般的にはあり得ないでしょう。
ズームマルチの使い方
エフェクターの順番にまでこだわる
エフェクターは接続する順番によってサウンドが大きく変わります。例えば、リバーブとドライブペダルを組み合わせる場合に、リバーブをかけたクリーンの音を歪ませるのか、クリーンのまっさらなサウンドを歪ませた後にリバーブをかけるのかでは大きくサウンドは異なります。
そのために、ギターアンプのSEND、RETURNを活用するギタリストも少なくないでしょう。ズームのマルチエフェクターでは、このような部分について微調整をおこなうために、エフェクターの接続順を自由にアレンジすることが可能。ワンタッチでコントロールができるので、実機のような煩わしさは皆無でしょう。
パッチを組むことで複数のエフェクトをコントロール
マルチエフェクターの大きな利点のひとつは、複数のエフェクトをプリセットして同時にそれらを呼び出すパッチ機能でしょう。
コンパクトエフェクターの場合は、物理的に同時に複数のエフェクターを切り替えることはできません。しかし、実際には場面によっては複数のエフェクターを同時にオンにしたい場面もあると思います。そのような煩わしさを解決するパッチ機能はライブ派のギタリストにとっては心強い味方になります。
おすすめのズームマルチエフェクター
ZOOM MULTI STOMP MS-50G
55種類のエフェクトやアンプモデリングがコンパクトペダルサイズに
コンパクトエフェクターのサイズながらも、大型のマルチエフェクターに見劣りしない機能を詰め込んで大ヒットしたのがZOOM MSシリーズ。本商品はその中でも定番のギター用マルチエフェクターMS-50Gです。
エフェクター、アンプ、合わせて55個のサウンドから、最大で6個のエフェクターを同時に使用可能。G3やG5のようなシンプルなディスプレイを引き継いでおり、非常に明快なインターフェースを持ちます。そのおかげでこれだけシンプルなコントロールでも操作は明快。
ZOOM
MULTI STOMP MS-50G
参考価格:
10,850
円
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価格情報は以下に表示された日付/時刻の時点のものであり変更される場合があります
amazon.co.jp:2024年10月5日 12:03時点
rakuten.co.jp: 2024年10月4日 16:45時点
shopping.yahoo.co.jp: 2024年9月30日 08:55時点
本商品の購入においては、購入の時点で上記各サービスに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます
幅 |
7.7cm
|
奥行 |
13cm
|
高さ |
5.8cm
|
重量 |
350g
|
フットスイッチ数 |
不明
|
タイプ |
ストンプタイプ
|
コントロール数 |
ー
|
エフェクトタイプ |
モジュレーション/スペシャルエフェクト
|
エフェクト数 |
47種類
|
エフェクトループ数 |
ー
|
メモリー数 |
ー
|
プリセット数 |
30種類
|
アンプモデリング数 |
8種類
|
最大録音時間 |
ー
|
給電方式 |
バッテリー式
|
消費電流 |
ー
|
最大電池駆動時間 |
7時間
|
USB出力可能 |
可能
|
ヘッドホン出力可能 |
可能
|
プリアンプ付き |
ー
|
ワウペダル付き |
あり
|
ZOOM G3n
ギターマルチに迷ったらこれ。自宅練習もこれ1台でバッチリ
大ヒットマルチエフェクター、G3の正統な後継機種がこちらのG3nです。合計で80種類のアンプシミューレート、エフェクターを内蔵。最大で7個のエフェクターを同時に使用することが可能で、それらは3つのフットスイッチを駆使することにより自在にオンオフをコントロールできます。
また、高品位なリズムパターンを68種類内蔵。これらは練習にはもちろん、ルーパーを組み合わせてソロギターでのパフォーマンスにも最適。当然ですが、ルーパーにはリズムパターンやエフェクト音込みのサウンドを吹き込むことが可能です。
ZOOM
ギター用 マルチエフェクター G3n
参考価格:
17,800
円
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shopping.yahoo.co.jp: 2024年9月30日 08:55時点
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幅 |
23.4cm
|
奥行 |
18.1cm
|
高さ |
5.8cm
|
重量 |
1.28kg
|
フットスイッチ数 |
左右にスクロール
|
タイプ |
ー
|
コントロール数 |
ー
|
エフェクトタイプ |
ー
|
エフェクト数 |
70種類
|
エフェクトループ数 |
ー
|
メモリー数 |
ー
|
プリセット数 |
75種類
|
アンプモデリング数 |
5種類
|
最大録音時間 |
ー
|
給電方式 |
ー
|
消費電流 |
ー
|
最大電池駆動時間 |
ー
|
USB出力可能 |
可能
|
ヘッドホン出力可能 |
可能
|
プリアンプ付き |
ー
|
ワウペダル付き |
ー
|
ZOOM G5n
エフェクターを多用するスタイルのギタリストに
ズームマルチエフェクターの最新作G5nは、最大で9つのエフェクターを同時に使用することが可能です。同時使用が可能なエフェクターが、旧作のG3やG3n、MSシリーズに比べて増えている分、フットスイッチも4つに増えています。これによりズームらしい明快でシンプルなインターフェースは崩すことなく機能を拡張。
また、付属の専用ソフト「Guitar Lab」を使用すれば、追加のエフェクトモデルやプリセットパッチの無償提供を受けることもできます。
ZOOM
マルチエフェクトプロセッサー G5n
参考価格:
34,835
円
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amazon.co.jp:2024年10月5日 12:02時点
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本商品の購入においては、購入の時点で上記各サービスに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます
幅 |
38.1cm
|
奥行 |
63.5cm
|
高さ |
30.5cm
|
重量 |
3.4kg
|
フットスイッチ数 |
左右にスクロール
|
タイプ |
ー
|
コントロール数 |
ー
|
エフェクトタイプ |
ー
|
エフェクト数 |
9種類
|
エフェクトループ数 |
ー
|
メモリー数 |
ー
|
プリセット数 |
100種類
|
アンプモデリング数 |
5タイプ
|
最大録音時間 |
ー
|
給電方式 |
ー
|
消費電流 |
ー
|
最大電池駆動時間 |
ー
|
USB出力可能 |
可能
|
ヘッドホン出力可能 |
可能
|
プリアンプ付き |
ー
|
ワウペダル付き |
可能
|
ZOOM MS-70CDR
お気に入りのアンプや歪みペダルがある人向け。空間系専門マルチ
16種類のコーラス、26種類のディレイ、29種類のリバーブを搭載した空間系専用のズームマルチエフェクター。前述の空間系エフェクターの他に、フランジャー、トレモロ、ビブラートなどのモジュレーション系エフェクターやイコライザーも搭載。自在なサウンドメイクを助けます。
最大で6種類までのエフェクトを同時に使用可能で、それらは明快なインターフェースによりコントロールされます。ズームのマルチエフェクターは特に空間系、モジュレーション系に定評があります。その部分に機能を絞ったこちらの商品は必要十分な機能を備えた実に実用的な1台です。
ZOOM
マルチエフェクター 空間系エフェクト MS-70CDR
参考価格:
13,500
円
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amazon.co.jp:2024年10月5日 12:03時点
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shopping.yahoo.co.jp: 2024年9月30日 08:55時点
本商品の購入においては、購入の時点で上記各サービスに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます
幅 |
5.8cm
|
奥行 |
13cm
|
高さ |
7.7cm
|
重量 |
0.36kg
|
フットスイッチ数 |
不明
|
タイプ |
ー
|
コントロール数 |
ー
|
エフェクトタイプ |
空間系エフェクト
|
エフェクト数 |
86種類
|
エフェクトループ数 |
ー
|
メモリー数 |
ー
|
プリセット数 |
30種類
|
アンプモデリング数 |
ー
|
最大録音時間 |
ー
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給電方式 |
アルカリ乾電池または充電式のニッケル水素電池の両方に対応
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消費電流 |
ー
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最大電池駆動時間 |
7時間
|
USB出力可能 |
可能
|
ヘッドホン出力可能 |
可能
|
プリアンプ付き |
ー
|
ワウペダル付き |
あり
|
おわりに
ほんの数年前までは厳選したコンパクトエフェクターを綿密に組み込むエフェクターボードが"クール"とされていましたが、近年再びマルチエフェクターが脚光を浴びる存在に返り咲いています。
その主役となるのは間違いなくズームであり、Gシリーズであり、MSシリーズだと言えるでしょう。そのサウンドの質やインターフェースの質の高さは確かで、高い評価の理由は純粋なクオリティであることがわかります。ズームはギタリストが次のエフェクター検討する際には選択肢に入れる価値のあるメーカーではないでしょうか。